納得感は奥深い。未来の正解ではなく「確からしさ」を伝える

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仕事をしていると、自分では「これをやりたい」と思っていても、それだけでは物事が進まないことがあります。

自分一人で完結することなら、自分の意思だけで決められるかもしれません。

しかし、誰かと一緒に仕事をする場合はそう簡単ではありません。

「なぜそれをやるのか」

「本当にやる意味があるのか」

「ほかの方法ではだめなのか」

周囲の人にも理解してもらい、「それならやる意味がある」と納得してもらう必要があります。

社会人になってから、私はこの「納得感」というものは、思っていた以上に奥深いものだと感じるようになりました。

今回は、仕事をする中で私自身が考えている、納得感について書いてみます。

自分がやりたいだけでは、仕事は進まない

何かを始めようとするとき、自分の中では理由がはっきりしていることがあります。

「こうしたほうが良くなると思う」

「この方法を試してみたい」

「今のやり方を変えたい」

自分自身がそう考えることは、物事を始めるきっかけになります。

ただ、仕事では、自分がそう思っているだけでは進められないこともあります。

関係する人がいれば、その人たちにも目的や理由を理解してもらう必要があります。

ここで大切になるのが、「自分はやりたい」という気持ちを伝えることだけではなく、なぜそれをやる必要があるのかを説明することなのだと思います。

以前、この記事でも「人に何かを伝えること」の難しさについて考えました。

「どう伝えるか」を考えることも大切ですが、その前に「何を根拠にそう考えているのか」を整理する必要があるのかもしれません。

→ 人に伝えるって難しい。社会人になって感じたコミュニケーションのあれこれ

伝え方を工夫するだけではなく、そもそも自分の考えにどのような根拠があるのか。

納得感を考えるとき、私はそこが一つの土台になるように感じています。

納得感をつくるために、事実と論理を積み上げる

誰かに何かを説明するとき、自分の気持ちだけでは十分ではない場面があります。

「私はこうしたいと思っています」

と言われても、相手からすれば、

「なぜ?」

という疑問が残るかもしれません。

そこで必要になるのが、事実や数字、過去の実績などです。

たとえば、

  • 今、どのような状況なのか
  • 過去にどのような結果が出ているのか
  • 数字から何が読み取れるのか
  • その情報をもとに、なぜこの方法が良いと考えるのか

こうしたものを一つずつ整理していく。

私は、納得感をつくるときには、事実と論理を積み上げていくことが一つの土台になると考えています。

もちろん、これは納得感の客観的な定義ではありません。

あくまで、私自身が仕事をする中で考えていることです。

それでも、何かを説明するときに「そう思ったからです」だけで終わらせるより、

「こういう事実があって、こう考えたので、この方法が良いのではないか」

と説明できたほうが、自分自身の考えも整理しやすくなります。

そして、相手にとっても判断するための材料が増えるのではないでしょうか。

未来のことには、正解がない

ただ、ここで難しいことがあります。

過去の実績や数字、事実を集めたとしても、それだけで未来を保証できるわけではないということです。

過去にうまくいった方法が、次も同じようにうまくいくとは限りません。

数字が良かったからといって、その先も同じ結果になるとは限りません。

つまり、未来について、

「絶対にこうなります」

と正解を示すことは難しい。

仕事では、むしろ未来のことを判断しなければならない場面が多いからこそ、この難しさを感じます。

何かを始める前には、その結果がまだ存在していません。

それでも、「やるのか」「やらないのか」を考えなければならない。

ここで私は、「正解を示す」のではなく、確からしさを説明することが大切なのではないかと考えるようになりました。

未来について、「確からしさ」を積み上げる

未来のことを100%保証することはできません。

だからといって、

「未来のことなので、分かりません」

だけでは、判断も難しくなります。

そこで必要になるのが、

なぜ、その未来が起こりそうだと考えているのか

を説明することだと思います。

たとえば、その考えの背景には、

  • 過去の実績がある
  • 現在確認できる事実がある
  • 数字から読み取れる傾向がある
  • 近い事例がある
  • 自分なりの仮説がある
  • 物事の仕組みを考えた結果、こうなりそうだと思っている

といった理由があるかもしれません。

一つひとつは、未来を保証するものではありません。

しかし、理由を積み上げていくことで、

「なぜそう考えているのか」

を相手に伝えることはできます。

私が考えている「確からしさ」は、まさにこういうものです。

「絶対に成功する」と言うことではありません。

未来の正解を知っているふりをすることでもありません。

自分がその未来を考えるに至った理由を、できるだけ整理して伝えることです。

過去の情報、現在の事実、自分なりの仮説。

それらをもとに、

「だから私は、こうなる可能性があると考えています」

と説明する。

その積み重ねが、未来について考えるときの一つの「確からしさ」になるのではないかと思っています。

それでも、数字や論理だけでは割り切れない

ここまで書くと、事実と数字と論理を十分に集めれば、人は納得するようにも見えます。

でも、実際にはそんなに単純ではないのだと思います。

同じ説明を聞いても、納得する人もいれば、納得できない人もいます。

ある人にとって重要な数字が、別の人にとってはそれほど重要ではないこともあります。

論理としては理解できても、

「それでも私は違うと思う」

ということもあるでしょう。

人が何に納得するのかを、完全に数式のように決めることはできません。

だから、

「これだけやれば必ず納得してもらえる」

という方法があるわけでもないのだと思います。

それでも、だからこそ考える意味があるのかもしれません。

自分はなぜそう考えているのか。

その根拠は何なのか。

未来について、どこまでが事実で、どこからが自分の仮説なのか。

そして、相手はどんな点に疑問を持つのか。

そうしたことを考えながら、少しずつ説明を重ねていく。

納得感は、簡単に答えが出るものではありません。

数字や論理だけで割り切れるものでもありません。

だからこそ私は、仕事をする中で「どうすれば納得してもらえるのか」を考えるだけではなく、

自分はなぜ、その未来が起こりそうだと考えているのか

を考えるようにしたいと思っています。

未来の正解を示すことはできません。

それでも、自分がそこに至った理由を整理し、「確からしさ」を積み上げて伝えることはできる。

納得感について考えるとき、今の私にとっては、それが一つの大切な考え方です。

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