「そうじゃない」と言われると、けっこう止まる
仕事で自分なりに考えて動いたのに、上司や先輩から「そうじゃない」と言われることがあります。
資料を作ったあと。説明をしたあと。依頼された作業を進めたあと。
自分では理解して進めたつもりだったのに、「そこじゃない」「そういう意味じゃなかった」と言われると、一度考え込んでしまいます。
もちろん、単純に内容を間違えている場合もあります。
ただ、最近思うのは、仕事で起きるズレは、答えそのものだけが原因ではないということです。
答えが全部間違っていたというより、作業に入る前の前提がズレていただけのこともあります。
以前書いた仕事で「そうじゃない」と言われたとき。答えではなく前提がズレているのかもしれない – Kojiroブログでも触れましたが、「そうじゃない」という言葉の裏には、目的や対象のズレが隠れていることがあります。
ズレていたのは、答えではなく前提だったのかもしれない
仕事で認識がズレるとき、見落としやすいのは次のような前提です。
- 誰に向けた資料なのか
- どの粒度で説明するのか
- どこまで作り込むのか
- 何を優先するのか
- 共有が目的なのか、説明して理解してもらうことが目的なのか
同じ「資料を作る」でも、見る相手が上司なのか、他部署なのか、初めて施策を知る人なのかで、必要な説明は変わります。
すでに背景を知っている人に向けるなら、要点だけでも伝わるかもしれません。
一方で、前提を知らない人に向けるなら、施策の背景や目的から整理しないと、内容が伝わりにくくなります。
つまり、「何を書くか」だけでなく、誰に、どの粒度で、何のために伝えるかを合わせることが大事なのだと思います。
施策共有の資料作成で起きた認識ズレ
私も、施策共有の資料を作っていたときに、認識のズレを感じたことがあります。
上司から依頼された資料を作成していたときの話です。
そのとき、上司からは「簡単でいい」「負荷をかけなくていい」という配慮がありました。
私はそれをそのまま受け取り、「細かく作り込まなくてもよい」「簡単に部分を説明すれば伝わる層への説明でよい」と考えていました。
ただ、後から考えると、ここで聞き漏らしていたことがありました。
誰に向けた資料なのか。
ここを確認しないまま進めてしまったことが、今回のズレの中心だったと思います。
上司の「負荷をかけなくていい」は、作業時間や作り込みすぎへの配慮だったのだと思います。
しかしそれは、「資料を見る相手に合わせた前提整理をしなくていい」という意味ではありませんでした。
私の受け取り方としては、「簡単でいい」を資料全体の説明粒度まで軽くしてよい、という方向に寄せてしまっていたのだと思います。
これは、上司が悪いという話ではありません。
私の理解力が低かった、という話に寄せすぎる必要もないと思っています。
ただ、作業前に確認するポイントが少し足りないと、同じ言葉でも受け取り方が変わり、成果物にズレが出ることがある。
そのことを実感した出来事でした。
「簡単でいい」は、何が簡単でいいのか確認した方がいい
仕事でよく聞く「簡単でいい」という言葉は、便利な一方で、少し幅があります。
たとえば、同じ「簡単でいい」でも、意味はいくつか考えられます。
- 資料のデザインは簡単でいい
- 説明は要点だけでいい
- 作業時間をかけなくていい
- 細かい分析まではいらない
- 完璧な資料にしなくていい
- ただし、相手に伝わる前提整理は必要
ここを確認しないまま進めると、自分は「作り込みすぎなくていい」と受け取ったつもりでも、相手は「見た人が分かる最低限の整理はしてほしい」と考えている場合があります。
同じ言葉でも、どこを簡単にするのかで成果物は変わります。
資料の見た目を簡単にするのか。
説明の量を簡単にするのか。
作業時間を簡単にするのか。
ここを一言確認できるだけで、後から「そうじゃない」となる可能性は少し減らせると思います。
資料作成や説明の粒度については、人に伝えるって難しい。だから考えて、でも一人で背負いすぎない – Kojiroブログでも整理しています。伝える相手によって、必要な言葉の量は変わるのだと思います。
仕事の認識ズレを減らす確認質問集
認識ズレを減らすためには、作業に入る前の確認が大切です。
ただ、「何を聞けばいいのか」が分からないと、確認もしづらいです。
そこで、実際に使いやすい確認質問を整理してみました。
| 確認したいこと | 質問例 | 何が防げるか |
|---|---|---|
| 対象 | 誰に向けた資料ですか? | 見る相手に合わない説明になることを防げる |
| 説明の細かさ | どの粒度までですか? | 詳しすぎる、または浅すぎる説明になることを防げる |
| 目的 | 今回は共有用ですか?説明用ですか? | 目的に合わない資料構成になることを防げる |
| 前提説明 | 前提から説明した方がよいですか? | 背景を知らない人に伝わらないことを防げる |
| 作業範囲 | どこまで作り込めばよいですか? | 作り込みすぎや不足を防げる |
| 情報量 | 要点だけでよいですか?背景も必要ですか? | 相手が求める情報量とのズレを防げる |
| 優先順位 | 優先するのはスピードですか?正確さですか? | 時間の使い方や完成度のズレを防げる |
この中でも、私が次から特に使いたいと思ったのは、「どの粒度までですか?」という質問です。
この一言があるだけで、相手が求めている説明の深さを確認しやすくなります。
「ざっくりでいい」のか、「前提は整理して、細かい分析までは不要」なのか。
同じように見えて、実際の作業内容は変わります。
確認することは、考えていないことではない
仕事で確認するとき、少し迷うことがあります。
「こんなことまで聞いたら、自分で考えていないと思われるのではないか」
「何度も確認したら、理解が遅いと思われるのではないか」
そんな不安が出ることもあります。
でも、確認することは、考えていないことではないと思います。
むしろ、相手の目的に合わせて動くための準備です。
何も考えずに聞くのではなく、自分なりに仮説を持ったうえで確認すると、聞き方も自然になります。
たとえば、次のように聞くこともできます。
- 「今回は要点だけでよい認識ですが、背景も入れた方がよいですか?」
- 「見る相手は施策を知っている前提で大丈夫ですか?」
- 「まずは共有用として簡単にまとめる形で進めてよいですか?」
このように聞けば、丸投げではなく、自分の理解を合わせにいく確認になります。
仕事がうまくいかないときに、すべてを自分のせいにしすぎる必要はありません。認識のズレは、確認の仕方で少しずつ減らせることもあります。
関連して、仕事がうまくいかないのは、本当に自分のせい?でも、自分を責めすぎない考え方について書いています。
まとめ|作業前に「誰に」「どの粒度で」を確認する
仕事で「そうじゃない」と言われると、答えが全部間違っていたように感じることがあります。
でも実際には、目的や対象、説明の粒度がズレていただけのこともあります。
特に資料作成では、作業に入る前に次の3つを確認しておくと、認識のズレを減らしやすくなります。
- 誰に向けたものか
- どの粒度まで必要か
- どこまで作り込むか
「簡単でいい」という言葉も、何を簡単にするのかによって意味が変わります。
デザインを簡単にするのか、説明を簡単にするのか、作業負荷を軽くするのか。
そこを確認しておくだけで、進め方は変わると思います。
私も次からは、作業に入る前に「どの粒度までですか?」と一言確認してから進めたいと思います。
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