最近、「ちいかわ」の映画を見ていて、ふと昔遊んでいたゲームを思い出しました。
パワプロクンポケット。通称「パワポケ」です。
パワポケと「ちいかわ」が、作品として似ているという意味ではありません。
私が少し似た感覚を覚えたのは、かわいらしい見た目から想像していた世界と、実際に触れた物語とのギャップです。
パワポケには、丸みのあるデフォルメキャラクターが登場します。子どもの頃の私は、パワプロを携帯ゲーム機で遊べるようにした、親しみやすい野球ゲームのような感覚で遊んでいました。
ところが、大人になった今も強く覚えているのは、野球の試合よりもサクセスの物語です。
あらためて考えると、パワポケは最初から、私が思っていたような「普通の野球ゲーム」ではなかったのかもしれません。
布団の中で遊んでいた、かわいらしい野球ゲーム
子どもの頃、布団の中に隠れてDSを遊んでいたことがあります。
そのときに遊んでいたゲームの一つがパワポケでした。
画面に映っているのは、パワプロでもおなじみのデフォルメされたキャラクターです。
野球選手を育てて、試合をして、強い選手を作る。遊び始める前は、そのようなゲームだと思っていました。
もちろん、パワポケには野球があります。育てた選手で試合をする楽しさもありました。
ただ、私の記憶に強く残っているのは、野球そのものより、選手を育てる「サクセス」で出会った物語でした。
記憶に残ったのは、野球だけではなかった
サクセスを進めていくと、さまざまな登場人物と出会い、物語が動いていきます。
私が遊んだ中では、選んだ行動によって展開が変わり、異なる結末へ進むこともありました。
うまく進んだと思える結末もあれば、そうではない結末もあります。
かわいらしいキャラクターで野球をするゲームだと思っていたのに、子どもの頃の私には妙に重く、ダークに感じる物語に出会うこともありました。
「野球がおまけなのでは」と思うほど、物語に引き込まれていた記憶があります。
これはパワポケの客観的な仕様を説明する言葉ではなく、私が実際に遊んでいたときの感想です。
それくらい、パワポケではストーリーの存在が大きく感じられました。
公式ジャンルは「野球バラエティ」だった
大人になってからパワポケについて調べ直して、納得したことがあります。
KONAMI公式サイトで示されているジャンルは、単なる「野球ゲーム」ではなく、「野球バラエティ」です。
公式サイトでも、野球だけでなく、サクセスや選手育成、ミニゲームなどを楽しめる作品として紹介されています。
子どもの頃の私は、パワプロの携帯ゲーム機版のような感覚で遊び始めました。
しかし、実際には野球を中心にしながらも、物語や育成、ミニゲームなど、さまざまな遊びが一つに詰め込まれていました。
私が感じていた「普通の野球ゲームとは何か違う」という印象は、「野球バラエティ」という言葉で考えると少し分かりやすくなります。
野球ゲームではないのではなく、野球だけでは説明し切れないゲームだったのだと思います。
パワポケシリーズを簡単に振り返る
初代『パワプロクンポケット』は、1999年にゲームボーイカラー向けに発売されました。
『実況パワフルプロ野球』シリーズの選手育成モード「サクセス」から派生し、携帯ゲーム機で遊べるシリーズとして始まっています。
その後はゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDSへと舞台を移し、ナンバリング作品は『パワプロクンポケット14』まで続きました。
ナンバリング以外にも『パワポケ1・2』や『パワポケダッシュ』などがあるため、シリーズ全体の作品数は数え方によって変わります。
そして2021年、Nintendo Switch向けに『パワプロクンポケットR』が発売されました。
『パワポケR』には、初代と『パワポケ2』に登場した3つのサクセスがリメイク収録されています。
1999年から2011年まで続いたシリーズが、約10年を経て再び登場した形です。
サクセスが選手育成だけでは終わらなかった
サクセスの基本には、主人公を野球選手として育てる目的があります。
練習をして能力を上げ、チームや仲間と関わりながら、物語を進めていきます。
ただ、パワポケで私の印象に残ったのは、強い選手を作ることだけではありません。
登場人物との関係や、途中で現れる選択肢、その先で変わっていく展開まで含めて、一つの物語として遊んでいました。
同じ作品でも、選択が変われば前回とは違う展開を見ることがあります。
一度遊んで終わりではなく、別の選択をしたらどうなるのか確かめたくなる。その繰り返しによって、登場人物や世界のことを少しずつ知っていく面白さがありました。
作品によってサクセスの仕組みや物語は異なりますが、私にとってパワポケは、選手を育てるだけではなく、物語の続きを確かめたくなるゲームでした。
見た目と物語のギャップが忘れられない
パワポケが大人になった今でも記憶に残っている理由の一つは、見た目と物語のギャップにあるのかもしれません。
かわいらしく、親しみやすいキャラクター。
携帯ゲーム機で気軽に遊べる野球ゲームのような入口。
その一方で、サクセスを進めると、私には重く感じられる出来事や、簡単には割り切れない展開に出会うことがありました。
最初から暗い物語を想像して遊び始めたわけではないからこそ、そのギャップが強く残ったのだと思います。
最近「ちいかわ」の映画を見てパワポケを思い出したのも、この感覚があったからです。
二つの作品が同じなのではありません。
かわいらしい見た目の奥に、想像していたより重く感じる物語がある。その落差に触れたとき、布団の中でDSを遊んでいた頃の記憶がふと戻ってきました。
選択した先の結末まで考えたくなる
パワポケでは、プレイヤーの選択によって物語が変わることも面白いと感じていました。
さらに後の作品まで知ってから過去作を振り返ると、
「もしかすると、こちらの結末につながっているのでは」
と考えたくなる部分もありました。
公式から明確に示されていない結末を、正史だと断定することはできません。
それでも、別の作品で描かれた出来事から過去の物語を振り返り、自分なりにつながりを考えられることも、シリーズを長く楽しめる理由の一つでした。
具体的なルートや結末については、ゲーム内の描写や公式情報を確認しながら、今後の個別記事で扱いたいと思っています。
大人になった今、もう一度振り返りたい
私が特に覚えているのは、『パワポケ10』『パワポケ12』『パワポケ13』です。
ただ、今回はそれぞれの物語には踏み込みません。
どの作品で何が印象に残ったのか、どのような選択や結末があったのかは、今後一つずつ振り返りたいと思っています。
パワポケは、私にとって野球の試合だけを楽しむゲームではありませんでした。
かわいらしい見た目で遊び始め、予想していなかった物語に出会い、選択した先の展開を何度も確かめる。
その体験があったからこそ、大人になった今でも妙に記憶に残っているのだと思います。
この記事を読んで「そういえば自分にも、なぜか忘れられないゲームがあったな」と感じた人もいるかもしれません。
昔遊んだゲームを大人になって振り返ると、子どもの頃には言葉にできなかった魅力が、少しだけ見えてくることがあります。
パワポケについても、これから少しずつ、その記憶をたどっていきます。

